第1回 解説 | |
![]() 連載は3ページ+裏話1ページの計4ページで構成されています。 フルサイズのビジュアルと、裏話については掲載紙をご覧ください。 サイト上では、紙面に載りきらなかった細かな部分を掲載していきます。 解説テキストはすべて伊豆平成。 ビジュアルは『コミックスドロウイング』誌表紙を除いてすべてりりんら。 |
こぼれ話 | |
その1:八門衆のキャラクター ヨニムニ八門衆は、カナンの世界を使ったゲームの中で「遠い昔のハンムーの伝説的人物」という設定だったので、各人の名前だけが決まっていた。 りりんらさんに名前のリストを渡し、ブレスト時に「八人中の男女比率は男子多めで」とか「“底なし”は大食いで、“口なし”は普段は無口だがものすごい大声」とか「ニカンバは子供でもインパクトがあっていいかも」なんてことを言ったくらい。 しばらくして、“十人力の”ニカンバと“猿臂の”ネモウのラフが。さらには“底なしの”レカまでがラフが上がってきた。 締め切り間際のりりんらさん曰く「八門衆、他の人も考えていくのは楽しいのですが、あんまり突っ走っても次が大変そうなので、自分でセーブをかけてます。レカが女の人、ニカンバも女の子、王様が美形、猿もまあ猿顔とはいえ……と思うと、槍の人はムキムキの武人でもよさそうな気はしているのでした」 いいぞいいぞ。どんどん他の八門衆も考えて〜。 その2:写真集から絵本へ 初めは「カナン世界での紀行写真集みたいなもの」という企画だったのだが、田中桂やりりんらさんとブレストしてネタだしをしていくうちに、「物語」を核にすえて絵本テイストでカナンを紹介することになった。 では、どんな物語にするか……という段階で、プカプカでも良いかなあと思っていたところ、以前に設定した「ヨニムニ八門衆」が好評だったので、「八門衆がそろうまでの物語」に決定した。 その3:私のカナン観 カナンは誰もが創造主になれる世界だ。ただ、世界観や法則は創造する人たちの中である程度そろっているほうが良い。その辺は、すり合わせていったほうが心地良いわけだ。 私はこの世界を完全に知っているわけではない。現実世界から、顕微鏡やら望遠鏡やらをのぞくようにしてカナンを観察し、わかっていることを他の人に伝える――そんな感覚なのだ。 だから、カナンのことを考えながら物語を書いたりしているうちに新しい発見があったり、以前見つけたと思った真実が間違っていたりすることもよくある。カナンを創造するのは、ちょっと科学の研究に似ていると思う。 その4:ポケット ニカンバのラフを描いているりりんらさんから「ポケットはあっていいのか?」との質問を受ける。現実世界の長い服飾の歴史を考えてもポケットはかなり新しいファッションだ。だから恐らくカナンにもないだろう……と私は思ったので「ランギニョクという帯状の財布があるので、それに似た小物入れがあればポケットに近い機能を果たすと思います」と答えた。 その結果、ニカンバはそういうものを身につけた。これがカナン語で何というかはまだ不明である。 |